ヴィンテージ家具は雰囲気がレトロであるだけでなく、実際に長く使われてきた物なので定期的に手入れをしないと傷んでしまいます。
現行品とは違った魅力を持ち、二度と同じデザインや風合いの家具は手に入りません。
希少性の高いヴィンテージ家具は大切に使い続けることが重要であり、手入れの方法だけでなくグッズにもこだわりましょう。
用意するのはウエスと蜜蝋ワックス、レモンオイルです。
ウエスはワックスやオイルを塗りこむために使い、家具の手入れだけでなく掃除に使うことができます。
ただしワックスやオイルを染みこませたウエスは他の掃除には不向きなので、専用を用意しておくのが良いです。
通販サイトで比較的手軽に購入することができますが、綿100%のTシャツやインナー、タオルなど柔らかい布で手作りする方法もあります。
蜜蝋ワックスは自然の素材のみで作られたワックスで、木材の手入れに欠かせません。
ワックスの固さはバター状やクリーム状など様々で、長期保管しやすいのは固まっているものです。
しかし扱いが難しいので、半クリーム状のある程度柔らかい蜜蝋ワックスが選ばれます。
ホームセンターや通販サイトで何を買って良いか分からない時は、アメリカのオールドヴィレッジ社製の蜜蝋ワックスがおすすめです。
18世紀以降の家具屋では必需品として愛されており、木材の温もりを生かした自然な仕上がりが高く評価されています。
マットな質感ですが、表面は皮膜が作られツヤ出しや防腐効果が期待できます。
レモンオイルは主にツヤを出すために用いられるもので、ワックスよりも塗布しやすいです。
ワックスと併用することで表面がさらに保護され、美しい仕上がりが長持ちします。
木材だけでなくステンレスやプラスチックといった素材のツヤ出しにも使えます。
実際に手入れをする際は、最初に表面の汚れを拭い取るところから行います。
乾燥したウエスで拭き取り、ワックスを塗布しやすくします。
この時に傷を発見した時は、サンドペーパーで削って表面を平らにしましょう。
サンドペーパーで削る時は傷のある部分だけではなく、その周辺を薄く削って均すイメージです。
次にウエスに蜜蝋ワックスを出して軽く塗ります。
木目に沿って動かすのがポイントで、乾いたウエスでワックスを全体に塗り広げます。
ジェルのようなテクスチャーなので、初心者でもまんべんなく広げることができます。
30分ほど放置したら、別のウエスにレモンオイルを付けて木目に沿って塗っていきます。
これも30分ほど待って乾いたウエスで拭き、完全に乾かせば終了です。
冬場は放置する時間を長くしなければならないこともあるので、表面がきちんと乾いているか確認しましょう。
行う頻度は月に1回くらい、ツヤが出ていた表面が乾いたと感じた時が目安とされます。
やり過ぎは良くありませんが、定期的な実施の他にも日常生活のちょっとしたトラブルにはその都度対応することが大切です。
例えばダイニングテーブルではコップの水滴で丸いシミができることがあります。
日常生活にヴィンテージが身近にある家庭ほど傷やシミなどのトラブルは出てきます。
その場合はウエスで乾拭きしてからレモンオイルを染みこませて、シミを中心にテーブル全体に広げましょう。
塗りムラや乾きムラを防ぐために、最後は必ず乾拭きします。
製品によってはオイルではなくウレタンやラッカー塗装で仕上げているので、購入する時にオイルで良いかを確認しておくと安心です。
テーブルの傷をランチョンマットで隠すよりも、傷そのものを目立たなくさせる方が長く使うことにつながります。
耐久性を高めることはもちろん、見た目を良くしてさらにヴィンテージの魅力を味わえるように整えることがポイントです。